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三月(弥生)  NO 2909
[投稿日 2015.03.01]


昨日は 遠方へ赴いていたので帰宅が遅く 発信が遅くなりました!
「体調が悪いの?」 とメール下さったり ご心配を下さった皆さん
本当にごめんなさい! 余程のことがない限り いくら深夜 遅くても
発信するのですが ・・・ 師と仰ぐ 久世栄三郎先生の 『独り言』にも
ご心配していただき 書いて下さっているのを拝見し恐縮しています
一日の内には必ず?(出来る限り) 発信したいと思っておりますので
稚拙な文章ではありますが ご笑覧いただければ幸せです ♪

さて 今日は 「facebook」 を見ていると そこに 「交通事故」と
題した記事が載っていましたので ご紹介いたします
少し長い文章ですが ぜひ読んでいただきたいと思います
この文章を読んでいて頭の中を駆け巡ったのは 久世先生のいつも仰る
「加害者になるな 被害者になるな」 と言う言葉でした

妻を亡くしました
お腹に第二子を宿した彼女が乗ったタクシーは 病院に向かう途中に
居眠り運転のトラックと激突 即死のようでした
警察から連絡が来た時は ひどい冗談だと思いました
いつものように笑顔で送ってくれたのに 冷たくなった彼女と対面しても
現実の事態として理解できませんでした
帰宅して呆然としているところ トラックを運転していた男性の
父親と婚約者の訪問を受けました
父親は土下座をしながら「自分と家内が死んでお詫びをするから
息子には生きていくことを許してほしい」と
警察から聞いたところによると 入院している母親の治療費を稼ぐため
男性は無理な労働をしており それが居眠り運転をした原因のようでした
同様に土下座をしている婚約者に目をやると 若くて綺麗な女性にも
かかわらず荒れた手をしています
本来ならとっくに結婚しているところ 運転手の母親の入院のために延期し
彼女もまた入院費を捻出するために 懸命に働いていると聞きました
私は 何て言葉をかければいいのか分かりませんでした
罵ることができる相手だったらよかったのに
家内の葬儀には トラックの運転手が警察官に伴われて参列しました
彼には思い切り罵詈雑言(ばりぞうごん)をぶつけ
殴ってやろうと思いました   一生憎むつもりでした
しかし震えながら土下座し 私の顔を見ることのできない彼を見ると
「彼もまた これから苦しみを背負っていく人間なのだろう」 との
思いがよぎりました
「つまらない人間のために 家内を亡くしたと思いたくない 
罪は罪として償ってもらうが その後は きちんと生きてほしい」
私が彼にかけた言葉です
正しかったかとうか分かりません 
本当の私の本音かどうかもわかりません
ただ 私には彼を憎むことができませんでした
震える声で返事をする彼をみると 私の気持ちは伝わったようです
怒りをぶつけられる 相手だったらよかったのに
彼 そして彼の家族に会わなければよかった
葬儀の後 ようやく一人になれて ウィスキーをなめていると
3歳の長男が起きてきました
私の横に座りながら
「お母さん大好きだったんでしょ いなくなって悲しいんでしょ 
悲しい時には泣くんだよ」 と
私は 息子の前でも家内を愛していることを 口に出す父親でした
好きな女性と生きていける幸せを いつも伝えていました
息子相手に 付き合った時どんなに楽しかったか
私の子供を生んでくれて どんなに嬉しかったか
どれくらい幸せにしてくれたか と
家内の思い出をぽつぽつと語っているうちに 涙がとまらなくなりました
今思えば この時になって ようやく家内およびお腹のこの死を
現実のものとして捉えることができました
そう 悲しくて泣くことによって 凍結した感情が解凍したことによって
情けない父親でごめんな

交通刑務所にいるトラック運転手から 時折手紙が届きます
謝罪を綴った言葉ばかりですが 
行間から 彼もまた苦しんでいる様子が伺えます  
人の命を奪った自分が生きていてもいいのだろうか と
また 彼の婚約者から 毎月手紙とともに金が送付されてます
最初は受け取りを拒否しようと思いましたが 
考えを変えて 新しく作った口座に預金しています
彼が出所したらファイルに綴じた 彼の手紙とともに通帳を渡すつもりです
そして「これらのものを背負いつつ きちんと人生を歩んで欲しい」と
伝えるつもりです
私たち親子もまた 大事な家族を失った事実を背負って生きていきます
私は父親として 社会人として 一生懸命な背中を息子に見せ
息子の目に映る私は 誰よりも強い男であるべく努めたいと思っております
家内が安心できるように 二人で頑張っていきます
だから 時々泣くことは許して欲しい
誰にも分からないようにするから



如何でしたか?
他人事とは思えないような 誰にも起きえるような出来事
事故による被害者の方々は 大きな悲しみや苦しみを抱え
生きていかなければなりません
同じように加害者も その苦しみを一生背負うことになります
「加害者になるな 被害者になるな」
いつも心に刻みながら 運転には気を付けようと思います



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