渡部昇一さんのエッセイから 終戦直後のエピソードを ・・・ 焼け野原の東京では 進駐軍がジープに乗り貧しい子供たちに チョコレートやガムを放ってくれました アメリカ軍は 世界各地の進駐して行った先でそうしていたのです ところが 日本だけは他の国と違う現象が起きました わが子が 進駐軍からチョコレートを貰って家に帰ると 「そのチョコレートどうしたの?」 「アメリカの兵隊さんが投げてくれたから貰って来た」 貧しい生活を送り 教育のレベルも低いかもしれませんが 戦前の「身を修める」という教育を身につけた日本の母親はどうしたか? その時お母さんは「返して来なさい」とも「捨てて来なさい」とも言わず 「ありがとうと言ってからいただきなさい」と わが子に言ったそうです そして 次の日に大根を半分 あるいは芋を3つなど自分の家にある 僅かばかりの食べ物を工面して 進駐軍のところに届けるのです 「自分の息子が 昨日チョコレートをいただいたお礼です」 お母さんは お辞儀をして帰っていきます しかし こんなことが度々あったため 進駐軍の中に 大きな波紋を呼んでしまいました 彼らは今まで このような国民に会ったことがなかったから すぐに「これはマズイぞ」と 彼らは感知し 放っておいたら日本人は こういう感性を どんどん伸ばしていくだろう そうしたらどうなるのか? それはまったく想像もつかず 「すごい民族だ」と 未知数の脅威を感じ 戦後の教育の軸を作る際 日本人本来の精神を 形作るものをなくそうと必死になり 「修身」を廃止するなど 感性崩壊を徹底したといいます 人間としての誇りを どう持つべきなのか 生き方の軸として何が大切か お母さんたちの とった行動が強く示してくれているようです