山の稜線と 流れる雲を静かに見つめながら 思い浮かんだ一節の詩 「生」 と 「死」 をこえて つながっている 「いのち」 くつ音 コツコツコツ お向かいのおじさんのくつ音 コツコツコツ こんどは おとなりのおじさん 八年前にお父さんに死なれた私は お父さんの くつ音をしらない 破れたくつをはいた おとうさんでもかまわないから お父さんの くつ音がききたい 一度でよいから きいてみたい = 東井 義雄 =